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ほっと一言

所長の細谷有子のブログです。

ほっと一言
2011年4月18日

3.11から1ヶ月

3.11 から1ヶ月経過し少し余震も治まってきたかな と思った矢先、4月11日にまた大規模の余震が起こりました。
その後、福島では5分~10分おき程度に震度3の地震が続き、茨城・千葉・長野・新潟と範囲を広げています。 東京でも何度か大きな揺れを感じました。
すこしは慣れてきたとは言っても、やはりドキッとします。 
原発も実際はどんな状況になっているのか、正直なところ判りません。
テレビでは毎日 学者様が色々な解説をしていますが、結局は持論を繰り広げるだけで今何をすべきなのか・・・誰一人として答えていない。
そして、「レベル7」 への引き上げ・・・その影響を考えると恐ろしくなります。

日本は今後どうなるのでしょうね。「日本の力を信じてる!」と毎日CMが流れています。
義援金への活動も活発に行われている。 ボランティアで東北に手伝いに行く方も増えてきた。少しずつ、何かが動き出しているようにも見えます。
でも、本当に動き出しているのでしょうか? 余りにも動かない政府・国に対して「待てない」
現場がやむにやまれず動き出したとしか見えません。
避難所までたどり着いたのに、灯油が不足しているために凍死者が出たり劣悪な避難所に耐え切れず、半壊の自宅の自宅に戻る人も出ているという。
12日付けの毎日新聞には、福島第一原発周辺の賃貸に入居希望者が殺到して空きがほぼ無くなっているとの記事まで出ていました。

今回改めて感じたのは、東北の方々の芯の強さと穏やかさでした。
もしかしたら、一見そう見えるだけで余りの辛さに泣くこともできないのかも知れません。
宮古市の漁師の方が、後かたずけをしながら昔からの言い伝えとしてこんな言葉を言っていました。
「眼は臆病で 手は鬼」
どんなに恐ろしいことがあっても、ひたすら手を動かす事によって復興をしてきた先人の言葉だそうです。
4人もの学者を集めて対策本部などを作っている暇があったら、政府も早く「手を動かせ!!」
と叫びたい。 非常時に 能力のないリーダーは百害あって一利なしです。
我々も もっと声を上げて 「怒り」 をぶつけても良いのではないでしょうか?

ある意味 今の日本は何かに試されているような気がします。
今迄 感謝もせず謳歌してきた「豊かな暮らし」・・・でも もしかしたら不必要な豊かさが日本人の心を麻痺させているのかも知れません。
もう一度、日本人として、人間として、大切にしなければならないものを見つめ直す必要があるように感じます。

*東京でも自粛ムードの中、それぞれの仕事への影響が大きく出ています。原発が安定すれば 2~3ヶ月内には少しずつ動きも出てくるとは思いますが、それまでは持久戦です。無駄な経費を極力抑えて、力を蓄えましょう。
ご心配な事があれば、当所までいつでもご連絡下さい。

*長くなりましたが、仙台の椎木会計事務所 椎木秀行先生の文章を掲載させて頂きます

宮城県仙台市から全国の経営者へ
「地震と津波で流されなかった3つのモノ」

2011年3月11日14:46、突然、床が突き上げるような揺れを感じました。
東北関東大震災の発生です。
その後の被害の状況は、報道のとおりですが、2011年3月31日現在、死者数11,362人、行方不明者16,290人、今後さらに増えることが見込まれている状況です。
16年前の阪神・淡路大震災と比較しても、史上類を見ない大災害となりました。

幸いにも生きながらえた私は、その後、さらなる惨状を目にする事になりました。
それは、事業継続が困難なほどに、打ちのめされた経営者達の相談です。
大切な家族や従業員を亡くしてしまった社長、社屋が跡形もなく流されてしまった社長、生産場所と取引先を失った社長など、直接的な被害に見舞われ、事業再開の目処が立たない経営者が多いのは想像に難くないと思われます。

しかし、被害はそれだけにとどまりません。
直接的な被害にあわなかった経営者も、売掛金が回収できなくなった社長、ガスが復旧するまで数ヶ月も営業ができない飲食店経営者、テナントが営業できないので
賃料を受け取ることができないビルオーナーなど、半年から1年間の売上の目処が立たない経営者など、間接的被害に苦しむ社長が相当数いるのです。

そのような社長の多くの相談を受ける中で、気付いたことを「地震と津波で流されない3つのモノ」と題してお伝えしたいと思います。

1.資産は津波で流され、負債は津波でも流されない

今回の地震及び津波では、建物、機械、棚卸資産など、ほとんどすべての資産が流されてしまいました。
しかし、流されなかったものがあります。それは負債です。
長年積み重ねてきた内部留保により構築した資産は、津波に対して無力でした。
しかし、借入金、買掛金、リース債務は、非情なほど無傷で存在しています。
今まで健全な経営をしていた会社ですら、一瞬にして債務超過に陥るのです。

2.生命保険は、経営危機時の防波堤

「地震や津波で、流されなかった資産はなかったのだろうか?」
少し考えてみました。それこそ、まさに、生命保険ではないでしょうか。
死亡保険は無論のこと、生き残った経営者にとって、救いの一手となっているのが、解約返戻金のある生命保険契約です。
契約の時は、渋々契約した経営者でも、今回の震災では、「この生命保険があって助かった」との声を聞いています。
震災後の、損害の補填、資金繰りの悪化に対して、強い力を発揮しています。
大切なデータをクラウド上に保存していた多くの会社が、被害を最小限に留めたのと同様、社外に資産を積み立てることができる生命保険は、「防潮堤」ならぬ「経営危機時の防波堤」と言えるのではないでしょうか。

3.信用と絆(KIZUNA)

生命保険以外で、津波に流されなかった資産があるとすれば、それは「信用」と「絆」と言えるのではないでしょうか。
本社社屋を流された経営者に、金融機関の支店長は、無条件で融資を決定しました。
また、ある経営者には取引先から、多くの支援が寄せられています。
そして、地域の絆、地域外の仲間との絆によって、我々、被災地の人たちは支えられています。
ある意味、生命保険は、我々と多くの経営者の「信用」と「絆」を形にしたものともいえると思います。

大震災から3週間が過ぎた今、福島第一原発の問題、ライフラインの復旧、沿岸部の被災状況の全貌解明など、まだまだ、たくさんの課題を抱えていて、復興の糸口さえ見えてきておりません。

しかし、必ず我々は復興しなければなりません。
なぜなら、それが、生きることが許されたものの使命だからです。

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「資産は津波で流されても、負債は津波でも流されない」
というタイトルに、同じ経営者として、どきっとするものを感じました。