「モームリ」 - 中央区 日本橋 茅場町の税理士事務所 - 細谷有子税理士事務所
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ほっと一言

所長の細谷有子のブログです。

ほっと一言
2024年8月22日

「モームリ」

 毎日暑いですね。やはり今年の暑さはちょっと違います。
照り返しが強く息苦しいこともありました。
もう立秋も過ぎたので、暦の上では「秋」がやってきたはずですが、やってきたのは
台風で、南国のような雷と激しい雨を伴って都会の街を襲ってきています。

 事務所には台風だけでなく、別の「招からざる客」もやってきました

休み明けの月曜日9:30頃一本の電話が入りました。
「退職代行モームリの〇〇と申しますが、△△さんの代行でお電話しています・・・」

その日は休みを取っていたため、事務所から入社半年の社員が定時になっても出社しない。
連絡を取っているが、携帯が繫がらないといった連絡が入りました。
嫌な予感がしながらも、お人好しの事務所としては、まず疑ったのは急病の可能性でした。
1時間しても連絡がなければ、一人暮らしなので様子を見に行かせた方がいいかな?
などと考えているうちに、事務所から2度目の連絡がありました。
「謎が全て解けました。退職代行から電話入りました」

ニュースなどで聞いてはいましたが、「退職代行」という仕事が実際に存在して機能して
いるんだ・・と思うと、何とも面白く、彼が退職を希望していたという事実より、どう
いう心理でこの退職劇を演じていたのかといった方に興味が湧いてしまいました。

 彼の机を開けてみると、きれいにかたづけられ、「鍵・自分の名刺・受け取った名刺」
が残されていました。
座布団やコップ・スリッパなどといった私物はきれいに持ち去られています。
今思えば、もう1か月ぐらい前から計画していたのか?
それとも有休が付いたら実行しようとしていたのか?
彼の行動は突っ込みどころ満載で・・・青臭いことを言えば「人間不信」に陥りそうでした。

「モームリ」の系列会社の「セルフ退職ムリサポ」によると、退職のSTEPは3つあり
 STEP1 は 自分で上司は退職を伝える ・・・やり取りをレクチャー
 STEP2 は 法律にのっとって強行的に退職を確定させる
 STEP3 は 成功率100%の退職代行モームリの紹介

彼は最初からSTEP3を選んできまhした

「モームリ」からの伝言は
 1. △△さんが退職の希望があります
 2. 本人及び家族に連絡を取らないでください
 3. 有休は何日残っていますか
 4. 有休を全て消化し終わった日を退職日とします
 5. 御社既定の退職届の様式はありますか
 6. 必要書類を提出して下さい・・源泉徴収票・社会保険等の・離職票

となんとも自分中心の事務的希望ばかりで・・・そこには担当をしていた顧問先や
事務所への「思い」などは微塵もありませんでした。
理由を告げることもなく、引継ぎをするでもなく、突然姿を消したといった感じです。
我々の中にも「何も」残っていません。

退職を希望するには我々が想像をすることができないような、過酷な職場もあるようです。
そういった状況から逃れるために「退職代行」というものも必要な場合があるかもしれません。
ただ、自分の責任を果たさず、礼儀も果たさず、当たり前のように権利のみを主張する
様な辞め方・・・・これからもこの方法を繰り返していくのでしょうか?

顧問先の社長の「企業側のモームリ」はないのかな? 
会社は社員を辞めさせたくてもなかなか辞めさせられないから・・・という言葉が
印象的でした。