ほっと一言
所長の細谷有子のブログです。
- ほっと一言
- 2016年2月15日
経済産業省へ行ってきた・・
「健康経営」というものをご存知でしょうか?
一般に企業の経営資源とされている「ヒト・モノ・カネ・情報」の中でも、特に「ヒト」
の重要性については、様々なところで議論がなされている。
企業とヒトは、どう向き合うべきなのか。
この問いに対して新たな方向性を提示する「健康経営」という考え方が最近になって注目
を集めている。
「健康経営」とは、従業員の健康保持・増進の取組が、将来的に収益性等を高める投資で
あるとの考えの下、企業が従業員の健康管理を経営的な視点でとらえ、戦略的に取り組む
事は、従業員の活力向上や生産性の向上等の組織の活性化をもたらし、結果的に業績向上
や株価向上に繋がる・・・このような趣旨で 昨年3月25日に経済産業省と東京証券取引所
は共同で東京証券取引所上場会社を対象に「健康経営銘柄」を選定し、22業種22社を選出した。
これにより、多くの機関投資家を呼び込もうとの目論見の様だ。
この「健康経営」を大企業だけでなく、中小企業に広げていこうという動きが次のステップ
として始まっているが、それについて中小企業の身近にいる「税理士」の意見を聞きたい
との要請を受けて、2月3日に初めて経済産業省のヘルスケア産業課というところへ行ってきた。
最初にこの要請を受けた時は、趣旨はわかるけれど中小企業を対象に実施するには
かなりハードルが高いのではないか? と感じたが、ネットで色々な方の意見を見ている
内に、大企業のようにカネを掛けずとも自分たちにとっての「健康経営」を実施することは
ある程度出来るのではないか・・と思い始めました。
経産省の方々には、中小企業が現在業種を問わず人手不足となっている現状や、大企業に
比べて直接利益を生まない(と思われる)ものへの投資に消極的であること
また、中小企業は従業員一人一人の総合力がより求められているため、メンタルな部分も
含めて従業員の健康に対して中小企業のトップはとても心を砕いていること。
などの現場の話をしてきました。
経産省は中小企業に「健康経営」というものを浸透させるにあたって、「健康経営ハンド
ブック」の作成や「健康経営アドバイザー」の資格認定を考えているようです。
中小企業診断士や社労士に研修を受けさせ、アドバイザーとして中小企業へ派遣し施策を
提言する事によって
①健診・重症化予防
②健康管理・安全衛生
③メンタルヘルス対策
④過重労働防止
に取り組むことを宣言してもらい、特に優良な実践企業に対しては「健康経営優良企業」
として認定し、金融市場(低金利融資等)や労働市場(採用広告の掲載等)でのインセンティブ
の措置を検討しているという。
正直、趣旨はともかく アドバイザーだの認定だの・・役所のやることは基準を設けて
型にはまったものをあてがうようだと、感じたので、大企業ではそのやり方でも効果が
あるかもしれないが、中小企業の場合はもっときめ細かい対応が必要なのではないか。
画一的な指導というより、その会社が無理なく実施できる方法を多くの情報・事例といった
形で提供して頂けないか・・とお願いしてきた。