ほっと一言
所長の細谷有子のブログです。
- ほっと一言
- 2020年10月22日
金木犀
金木犀の香りが漂い始めると、10月がやってきたと感じる。
その存在を目で確かめる前にどこともなく漂ってくる香りの気配が好きで、冷たい
透き通った空気感とともに ふと心が和む時間が流れる。
事務所を茅場町に移転しようかと悩んでいた時も、隣のレストランの前に置かれて
いた鉢植えの金木犀の香りが「大丈夫だよ。移っておいでよ!」と誘ってくれた様な
気がして、最後の一歩を踏み出した気がする。
私としては大きな決断で、「家賃が払えなくなったら戻ればいい」と開き直るまで
時間がかかったが、過ぎてしまえば今年で丸8年が経ち何とか家賃も遅れることなく
払い続けている。
30年近くこの仕事を続けていると色々な事案に出会うこともあり、余り驚くことも
無くなっているのだけれど、最近かなりショックな出来事に出会った。
先日新規のお客様が見えた。
今の税理士さんが頼りにならないので、替えたいとの事。
銀行で借入をしようとしたら、決算書が信用できないので貸せないと言われた・・と。
「何行か当ったが、どこも貸してくれない・・」
前向きな経営をしている社長にとって、借入が出来ないのは大きな打撃で ほとほと
困り果てた様子に、渡された「申告書」を見て、こちらも愕然!!!
一見、普通の申告書に見えるのだけれど~(細かい内容説明は割愛します)
これはプロの仕事なのかと同業者として何ともやるせない気持ちになった。
そういえば、「税理士会」という機関誌に、昨今の助成金申請に関し税理士が
不正受給申請を行っているとの記事が載っていた。
ニュースでは話題になっている事柄だったが、まさかプロである税理士が加担して
いるとは・・・・
細々とはいえ、長く大切に続けてきた仕事。 同じ志を持って資格を取ったであろう
仲間たちが、このような形で仕事をしているのを見ると、もったいないな! と思う。
最近は税理士という仕事は余り人気が無いと聞くけれど、結構面白く楽しい、そして
やりがいのある仕事だと思う。
このような事案に立て続けに出会うという事は、反面教師として気を引き締めなさい
という啓示かもしれない。
金木犀の香りに包まれて、しばらく抱えている荷物を傍らに置き、穏やかな気持ちに
浸ったら、リフレッシュしてまた明日から頑張りましょう!!