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ほっと一言

所長の細谷有子のブログです。

ほっと一言
2020年7月16日

事実は小説より奇なり

一頃、テレビCMと言えば ゲームと弁護士法人・司法書士法人などが
目を引いていた。
特に弁護士法人はテレビだけでなくラジオでも繰り返し繰り返しCMを流して
いたので、正直、違和感を覚えながらも「弁護士業界」も王道を外れ、より
商売としての活動を重視する新人類的な世代が出てきたのかな? とさえ
思っていたが、
 最初は   過払い金請求訴訟
 その後   B型肝炎給付金訴訟
       過労死などの過重労働の訴訟
 今では   アスベストの訴訟 ・・・・と

次々と新しい課題を掲げて動く様子を見ていると、なんとも血眼な様子が
透けて仕方がなかった。

 税理士業界も同じで、標準報酬料金の撤廃で1契約で50,000円/月が当た
りまえの相場が崩れ、価格競争が過激になり低料金での顧客獲得が過熱して
いった時期があった。
1法人 1決算 フルサポートで10万円を切るような契約が当たり前のように
取り交わされ、いったいどうやって事務所運営を維持しているのだろうと
不思議に思ったものである。
弁護士法人と同じに、大手税理士法人も大々的にCMを流している。
耳に残るCMソングで記憶にある方も多いのでは・・・

 経済力のある士業法人は違うね・・・と思っていたら、先月ミネルヴァが
倒産した。

弁護士会の会費滞納がきっかけで、負債総額51億円の破産手続きが始まった
らしい。
ただ、通常のお金の流れを考えれば、訴訟で勝ち取った過払い金から弁護
費用を差し引いて依頼人に渡すわけで、弁護士会費を払えないほどの資金
繰りに苦しみ、依頼人へ返金すべきお金さえも滞ったという状況は理解
しがたい。

 ネットでいろいろ調べてみた。

結構 怖い話が出て来ている。
元武富士の札幌支店長だった兒嶋氏が設立した リーガルビジョンという
会社がミネルヴァを実質支配をしていたというのだ。
「士業専門の総合アウトソーサー」として広告のみだけでなく事務員・
相談員の派遣。
事務所の転貸・通信インフラの転貸・経理業務の掌握。
旧武富士からの顧客名簿に基づいた集客活動 ・・・

 弁護士たちが事態収拾に必死にあたっている との情報も出てきては
いるものの、知的職業のTOPでもある弁護士がこうも簡単に絡めとら
れるというのも、情けない話である。
ある報告書には
 『士業の資金管理や外部業者への業務委託のあり方、弁護士法人や
 司法書士法人の財務諸表の会計監査・公開制度の必要性なども含めた
 抜本的な制度改革の議論が求められる』
とあったが、弁護士は税理士の資格も併せ持っている立場なので客観的
に法人の経営管理ができるはずだったと、強く思う。

 一視聴者として違和感を感じていたCM。
 当の本人たちにとっては、どのように映っていたのだろうか?