「コロナ禍で税務調査は来ないだろう」と思うのは大間違い - 中央区 日本橋 茅場町の税理士事務所 - 細谷有子税理士事務所
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ほっと一言

所長の細谷有子のブログです。

ほっと一言
2021年4月15日

「コロナ禍で税務調査は来ないだろう」と思うのは大間違い

 事務所の電話が鳴った・・・税務署から!
「お久しぶりです。昨年の暮れに調査をお願いしていた 〇〇税務署の△です。
コロナで調査を一時中止とさせて頂いていましたが・・・・・・・・
 (ええ~~~今頃調査するの!! と叫びそうになったら)
・・・コロナの状況がこの様ですので、正式に中止とさせて頂きます。
また落ち着きましたら、改めてお願いすると思います」
との事でした。

 そうなのね。いい判断です!!
税収が減って税務署も大変かもしれないけれど、時間がとられる税務調査が減るのは
とても助かります。年内はもう来ないのかしら?
などと思っていたら、所属している研究会から下記のような連絡がきました。
少し長いですが、掲載します。

  ****「コロナ禍で税務調査は来ないだろう」と思うのは大間違い****

2020年、突如として発生した新型コロナウイルスは、私たちの生活様式にさまざまな
影響をもたらしました。
外出自粛、テレワーク、緊急事態宣言、時短営業などなど……。

中小企業の経営者の中には、いくばくかの給付金を受け取り、少しは助かった感が
あるかもしれないのですが、お国の側としてはばらまいてばかりはいられません。
財源確保のため、国税局・税務署は粛々と税務調査を行う宿命にあるのです。

厳しい社会情勢の中、国税局や税務署はどのような企業や個人を狙ってくるのでしょうか。
ターゲットになりそうな具体的な業種や働き方、そして注意すべき点やその対策法を
見ていきましょう。

コロナ禍での税務調査国税局・税務署がターゲットにするのは?

国税庁は、19年3月にまとめた「税務行政の現状と課題」の中で、“重点的に取り組ん
でいる事項”として「経済社会の国際化、富裕層への対応」「消費税の不正還付防止」
「無申告の把握」を挙げています。
この三つについては21年度も引き続き重点的に取り組まれると思われます。

また、国税局・税務署は、売り上げが急激に上昇した業種業態の企業には税務調査の
GOサインを出します。
今後、数年の間は、思いも寄らずコロナ禍で業績がアップしたという企業は税務調査に
選ばれる確率が高くなるとみてよいでしょう。

調査官たちが調査にやって来て、入念に確認することは「知らずにそうなったのか、
わざとやったのか」ということです。

「税務調査はコロナ前とコロナ以後で何か違いがあるのか?」。中小企業経営者などに
とっては気になるところだと思います。
税務調査の対象の基本は悪質な高額所得者です。国税当局のスタンスは変わらないでしょう。

「コロナ禍で大変なのに、なんでうちに調査に来たんだ!」などと言われながらも、
国税調査官たちは、不正を暴くべく税務調査にいそしむのです。

“コロナ特需”があった企業や個人はご用心
 
先にも述べたように、コロナ禍で国税局・税務署が積極的に調査対象に選ぶであろう業種は、
それによって売り上げが急増した業種・業態です。例えば、次のようなものが狙われる
“急所”と考えられます。

【急所1】コロナ禍で“巣ごもり需要特需”がある企業

在宅勤務に使うためのキャンピングカー、飲食店や小売店で設置されることが当たり前に
なったクリアボード、デリバリーのパッケージ、
宅配の梱包資材などを製造する企業や、閉店に追い込まれた飲食店の後オープンした自転車屋
さんなどなど……。
コロナ禍で需要が伸びた業種はまだまだ他にもあると思います。

また、ある経済媒体が今年に入ってまとめた「最高益更新が期待できる新興市場銘柄」という
ランキングでは、巣ごもり需要を背景に業績が伸びそうな企業として、ホームセンターを展開
する企業がトップになっています。
さらに、このランキングでは、感染対策グローブや手指消毒剤などを手掛ける企業も上位に
入っています。

こうしたランキングの記事は国税局・税務署も必ず見ています。
自社がこのようなランキングに登場する関連企業の場合は、
税務調査に選ばれる可能性が高くなるといえるのではないでしょうか。

ただ、21年中に国税局・税務署が来るとは限りません。
むしろ、3年くらいたってから調査に来ると思った方がよいでしょう。

国税当局も人件費が一番の経費です。
人件費を最小限に抑えて多額の追加の税金を集めるためには、不正があったと思われても
単年では調査に入らず、
3年くらい泳がせておいて、その後、税務調査に入る方が効率が良いのです。

コロナ特需による単発取引や現金決済などは、特に売り上げ計上漏れにならないように注意
することが必要です。

【急所2】持続化給付金を受給した人

 持続化給付金は、売り上げが減ったことを理由に給付を受けたものなので、
課税されないと思いがちですが、そうではありません。
非課税所得にうたわれていない収入は原則、課税対象なのです。

「持続化給付金を申請したら振り込まれたんですけど、これって申告しないといけないんですか?」

 経営者の方からそんな質問を受けることがあるのですが、持続化給付金は課税対象です。

「申告書を提出しに行ったときは何も言われなかったし、大丈夫ですよね!」

いえいえ、そんなことはありません。確定申告の時期は、申告書は受け付けるだけ。
内容のチェックは、後日、職員が綿密に行います。
持続化給付金は申請時に不正があった場合は罰せられます。
いま一度、持続化給付金については見直すことが必要でしょう。

【急所3】コロナ禍で、デリバリーの副業を行った人

コロナ禍で、よく目にするようになったのが、大きなカバンを背負って街中を走る自転車軍団です。

「副業でデリバリーをやってる人に税務調査なんて、あるわけないよね」

そう高をくくっていてはいけません。

税務署は、新しい業種・業態が世の中に登場した場合、基幹調査というものを行います。
基幹調査とは、きちんと申告している人を税務調査し、その実態を把握するというものです。
基幹調査を終えると、一斉にその業態の税務調査に着手するという流れになります。

所得税の実調率1.1%、法人税の実調率3.2%が意味するもの
税務調査は、適正公平な課税の実現を目的として行われます。
国税庁は先に述べた「税務行政の現状と課題」の中で、実調率を公表しています。
実調率とは申告者に対する税務調査の件数の割合のことです。
この実調率は所得税が1.1%、法人税が3.2%となっています。

皆さんはどう受け止められましたか?

実調率からいえることは、「当たり前のことを当たり前にしていれば、税務調査に入られる
ことはない」ということです。

コロナ禍で臨場調査の件数は減ったかもしれません、
しかし、この間、調査官たちは、テレワークで資料収集をしてます。
調査官たちにとって、見るもの聞くもの、全てが税務調査を行う際の資料です。
例えば、調査官がテレワーク期間中、お昼ご飯に出前を取ったけれど、お金を渡しても
領収書をくれなかったという場合。
「駅前の居酒屋、ランチのデリバリーを始めたから頼んでみたけど、領収書くれなかったな。
これは売り上げ計上漏れの可能性があるぞ」と思い、資料化するのです。
アナログな情報もKSKシステム(国税総合管理システム)にどんどん蓄積され、データ化
されていきます。

調査官たちは、コロナ禍であっても、365日、調査官のセンサーを働かせています。
コロナ禍では臨場調査の件数は減ったかもしれません。
しかしながら、その分、資料収集に費やす時間は増えたはずなのです。
多くの資料が集められることで、今後は、より厳しい調査が行われます。

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 忙しい時期でなければ、税務調査は嫌いではありません。
でも、「取るぞ!!」と勢い込んでこられるのも疲れますね。
当たり前のことを当たり前に! やはりこれに限ります。