税務調査の低レベル化? - 中央区 日本橋 茅場町の税理士事務所 - 細谷有子税理士事務所
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所長の細谷有子のブログです。

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2024年4月18日

税務調査の低レベル化?

12日の日曜日に門前仲町の運河沿いに散歩に出掛けた。いつもなら運河沿い
に満開の桜が咲きほこって華やかな雰囲気を醸し出しているのだが、お天気が
右往左往している間に花が散ってしまって、結局 葉桜のトンネルを散歩する
ことになってしまいました。

 3月の繁忙期を何とか過ごして、改めて周囲を見回すとお定まりのように
郵便物が溜まりに溜まって山積みになっています。緊急なものはないのでは
ないかと思いつつも、台にしている書類入れの引き出しが重さでスムーズに
開かなくなってしまったので、整理を始めました。
1か月程度かと油断していたら・・・1月のものまで残っていてさすがに反省
です。
書類の山を整理していると、面白い記事が目につきました。

「月刊 所長のミカタ」という月刊新聞で、

      国税幹部も嘆く 税務調査の低レベル化

 という記事です。

***長かったコロナ禍を経て、ついに税務調査が本格的に再開された。
   やり手の調査官たちが腕まくりをして乗り出してきている-と
   思いきや、聞こえてくるのは「税務調査の質が落ちた」という
   専門家たちの声だ。
   コロナ禍での調査自粛による若手調査官たちの”経験不足”が
   要因だとみられている ****

確かにコロナが始まってから、調査予定延期の連絡が入り、しばらくして
調査の中止の連絡に変わり、3年近くほとんど調査はなかった。
その間、新人研修がリモート研修になり集団研修で身につくはずだった国税
職員としての基本的なスキルが定着しないまま調査の現場に配属され、配属
後もろくに現場経験を積めない状況が長く続いていることが大きな要因だそう
である。
ただ、記事では 調査官のスキルの低下は受けて立つ納税者にとっては有難い
話しのように思えるが話はそう単純ではないと続けている。

***税務調査が一種の交渉事である以上、両者に共通の理解やゴールが
   なければ、話が進まない
   以前であればツーとカーで通じたものが、最近の調査官相手だと
   話が通じない
   結果調査機関がいたずらに長期化するし、上手く合意点を見出す
   ことも難しい ****

確かに、以前であれば1~2か月で終了するものが、昨年の調査では平均4か月
かかっていたように思う。
現場で問題点を指摘して帰るのではなく、「持ち帰って上司に報告・相談し
て・・」といった対応。

そして 国税当局うちでは「ノルマ達成に困ったら専門業種に行け」という
格言があるそうで、・・・貴金属業種・宗教法人・医師・弁護士など・・
対人スキルや交渉に難のある若手調査官でも、知識さえあれば”取れる”
相手だそうである。

 我々の業界でも、リモート勤務などが主流になりつつあり体面での交流
が少なくなってきている。それによって雑談も少なくなり経営者の本音が
見えにくくなっている喜来がある。
コロナという異常事態の影響とは言われるが、せめて同じ業種でも一社一社
違う事情を抱えていることに興味を持って接してくれると嬉しいと思う。

 
4月は3月と5月の繁忙期に挟まれて少し息を付ける月になるはずなのですが
毎年何故かスケジュールが詰まってしまい、気が付くとあっという間に5月
に突入して・・・4月をもっと有効に過ごせばよかったと後悔しており。
今年も・・・そのような予感がしてきました